外国人関係

外国人−−在留資格をめぐる問題−−

万国旗

わが国で生活し就労されている外国人の方は近年増えています。交通事故や労災など、日本人と同様の問題に遭遇されることもありますが、離婚、相続問題などでは日本人とは異なる法律が適用されることもあります。とくに在留資格に関しては外国人の方特有の問題です。

在留資格とは

外国人が日本に在留して活動するためには、在留資格を得る必要があります。在留資格には「技術」、「留学」、「人文知識・国際業務」など日本での活動を根拠とするものと、「日本人の配偶者等」などの身分関係が根拠となるものがあります。「永住者」以外の在留資格には在留期間が定められています。

したがって、在留期間中に日本での活動が終わらなかった場合などには、在留期間の更新の許可を得る必要がありますし、日本人の配偶者と離婚した場合などには、「日本人の配偶者」から「定住者」などへの在留資格変更許可を得る必要があります。

また、わが国での活動は在留資格の範囲内で行うことができます。「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」は活動範囲に制限がありませんが、「留学」「短期滞在」などでは原則として就労できませんし、「投資・経営」、「興行」、「技能実習」などは在留資格に定められた範囲での就労が認められています。

在留資格がない場合

在留資格を得ないままわが国に入国することはできません。また、在留期間を超えてわが国に滞在すること(オーバーステイ)も違法となります。

在留資格がなかったり、在留資格を失った場合には、入管に収容され、退去強制されることになります。退去強制手続きの中で、法務大臣による在留特別許可が出されることもあります。しかし、在留特別許可は法務大臣の裁量によるものなので、簡単に在留特別許可が出るというわけではありません。

在留特別許可がどのような場合に認められるかについては、法務省が「在留特別許可に係るガイドライン」をホームページでも公表しており、また許可・不許可事例についても公表されています。ので参考になりますが、時々によりその運用が異なるようですので専門家に相談されたほうがよいでしょう。

仮放免

入管に収容された場合に、300万円以下の保証金を差し入れ、住居や行動範囲の制限などを課したうえで身柄を解放する制度が仮放免です。家族による身元引受書を求められることが多いようです。

自主的に出頭した場合には、比較的早期に認められることが多いようですが、警察や入管の摘発が先行している場合には、すぐには認められないことが多いようです。

仮放免は、身柄を解放される点で有意義な制度ですが、月に1回程度入管に出頭することが必要ですし、就労することができないので注意が必要です。

退去強制の命令が出されたら

退去強制手続の中で在留特別許可出す特別の事情がないと判断されてしまうと、退去強制令書が発布されます。

いったん、退去強制令書が発布された場合でも、その後に事情が変わった場合(例えば、内縁関係の日本人と結婚した、日本人との配偶者との間に子供が生まれたなど)には、それらの事情を記載した書面を提出して、再度在留特別許可を求めることができます。これは再審情願と呼ばれ、法律上の制度ではありませんが、実務上はよく行われています。

退去強制令書に対して、在留特別許可を与えるべき特別の事情がある場合には、裁判所に取消訴訟を提起することになります。執行停止の申し立ても同時に行います。なお、取消訴訟は6か月以内に提起しなければなりません。

取消訴訟は、判決が出るまでに1年以上かかるケースも多く、その間仮放免で収容を解かれても就労できないので、生活のためには家族の援助が不可欠です。また、退去強制令書の取り消しを裁判で認めてもらうのは、わが国では極めて困難であるということも確かです。勝訴の見通し、本人及び家族の生活環境、一家離散の危険性などについて、十分に検討して判断する必要があります。

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