2019年7月21日(日)参議院議員通常選挙が行われました。
 選挙結果をみると、選挙区74議席と比例代表50議席、合わせて124議席の改選議席のうち、女性の当選者は28人で、それぞれ選挙区では18人、比例代表では10人でした。つまり女性割合は22.6%でした。
 なお、先回、2016年6月における参議院選挙では女性の当選者は、今回と同じ28人(選挙区17人、比例代表11人)でしたが、2016年時における改選議席数は121議席でしたので、女性割合は23.1%でした。つまり3議席増えたのですが、女性の当選者は増えませんでした。
 今回の女性の当選者数と割合を政党別にみると次のようでした。

 自民党 57人中10人 17.5%
 立憲民主党 17人中6人 35.3%
 公明党 14人中2人 14.3%
 維新 10人中1人 10.0%
 共産党 7人中3人 42.9%
 国民 6人中1人 16.7%
 れいわ新選組 2人中1人 50.5%

 2019年3月5日に列国議会同盟(IPU:Inter Parliamentary Union)が、世界女性国会議員調査のレポートを発表しました。
 このとき日本の女性国会議員比率(衆議院・下院)は、定数465議席中、女性47人で10,1%で、193ヵ国中、なんと165位でした。
 このレポートは衆議院選挙についてのものですから、参議院選挙とはシステムが異なるので単純比較はできませんが、次の衆議院選挙が楽しみですね。
 ちなみに国会議員(下院、衆議院)の女性割合についての世界の平均をみると、1995年は11,3%、2019年には24,3%でしたから、日本は世界の平均よりも悪いのですね。
 また先進7ヵ国をみると、フランス(39,7%)、イタリア(35,7%)、イギリス(32,0%)、ドイツ(30,9%)、カナダ(26,9%)、アメリカ(23,5%)、日本(10,1%)となっており、最下位でした。もし日本の首相が女性だったら、こんな最下位の地位は恥ずかしくて仕方がないでしょうね。
 このように、日本では、あまりにも女性議員の割合が少ないので、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律(略称:候補者男女均等法)」が2018年5月16日成立、5月23日公布され施行されました。

 この法律の基本原則は、
 「①衆議院、参議院及び地方公共団体の議会の議員の選挙において、政党等の政治活動の自由を確保しつつ、男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指して行われるものとすること。」
 「②男女が、その性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できるようにすることを旨として、行われなければならないこと」
 「③公選による公職等としての活動と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となることを旨として、行われなければならないこと」
 とされているのですが、どうやらほとんど守られていないようです。
 もっとも、①の「政党等の政治活動の自由を確保しつつ」という条件がなぜ付いているのか、私には分かりませんが、女性議員を増やすと政党の政治活動が不自由になるというのでしょうか? 男性だけの意見よりも女性の意見を入れた方が、政策がより豊かになると思うのですが・・・。
 さらに、政党に対しては、「政党などの政治団体は、政治分野における男女共同参画の推進に関し、所属する男女のそれぞれの公職の候補者の数について目標を定める等、自主的に取り組むよう努めること。」と規定されていますので、特に自民党の17.5%とか、公明党の14.3%、維新の10.0%などの数字をみると、本当にこの法律を守る意思があるのか疑問に思います。
 せめて女性の権利や自由に関する法律が、男性の考えや立場によって決定されていくという歴史を変えたいと思います。