今回は、犬について調べて見ました。
 国によって動物に対する考え方が少し違うようです。

  1. Il cane morde sempre lo straccione.

犬はいつもこじきを噛む

「犬が噛む相手は、いわゆる貧しい乞食ということで、社会的にみて弱者の部類にはいるだろうね。」
「このことわざは、いつも自分より弱い立場の人を攻撃するって意味だね。だから、自分より強い立場の人には何もいわずにいて、自分より弱い立場の人だけに強く当たって批判したり攻撃するということだよね。」
「自分の意見が正しいと思えば、誰が相手でもしっかりと言うべきだと思うよ。でも残念ながら、そうやって堂々と誰にでも自分の意見を言える人は、実際はそんなに多くはなくて、おとなしい人とか社会的に弱い人に対してしか言わないことがあるね。」
「そういえば、特にSNSでは、そのような傾向があると指摘されているね」

  1. Non svegliare(destare) il can che dorme.

寝ているイヌを起こすな

「寝ている犬を起こすと、吠えたりしていろいろ面倒なことになるから、そのまま寝させておけ、ということかな。せっかく物事が落ち着いているのに余計なことをして面倒を起こすな!という意味だね。」
「日本にも『寝た子を起こすな』ということわざがあるね。良く似ているね。」
「日本では、寝ている子をわざわざ起こして泣かせることはない、つまり不必要なことをして問題を起こすのは逆効果だという意味で考えられている。
特に、何も知らない人にわざわざ問題の所在を知らせる必要はなく、そっと放置しておけば自然に解決する、とする考え方だよね。政治的問題や社会的問題があっても、それを知らない国民にはなにも知らせない方が安泰だという一種の愚民政策にもつながっていると思う。」
「つまり政府や権力者は国民に義務や責任があることを強調するけど、人権や権利や自由があることをちゃんと説明しようとしないこともあるってこと?」

  1. Cane che abbaia non morde.

吠える犬は噛まない

「大声で吠えて威嚇するような恐ろしくて怒りっぽい人は,実は見かけだけなので、実際には人を噛むことはないという意味だね。」
「ラテン語で、Canis timidus vehementius latrat quam mordet(臆病な犬は、噛むより吠え立てる)ということわざもあって、多分同じ意味だと思う。」
「このことわざは昔からあったことになるね。そうすると、一見してすぐに怒鳴りつけるような人は,実は臆病なんだ、と理解すればいいのかな。つまり、結局臆病なので、いろいろ怒鳴って言ってきてもそれを実行に移すことはない、という解釈もできるよ。」
「なるほど。誰かにいきなり怒鳴られたら、こちらもすぐに言い返すことはしないで、怒鳴っている理由をじっくり考えてから、対応すればいいんだね。」

  1. Cane affamato non teme bastone.

飢えたイヌは棒をも恐れぬ

「飢えた犬は、とてもお腹が空いているので、人間から棒で打たれても平気で人間にかみつくという意味かな。犬を飼うときにはいつもエサをあげて満足させておかないと,犬が空腹のあまり暴れて、棒で打擲しても言うことを聞かない、ということだ。これを人間に当てはめれば、権力者が民衆を支配するには、いつもお腹を満たしてあげることが大事で、民衆が飢えると暴動になる、ということだね。」
「なるほど、でも、ことわざに犬が出てくると、たいてい悪い意味で使われているね。それに、un tempo cane(なんて酷い天気だ)とか、un freddo cane(凍えそうな寒さ)とか、quel cantante è un cane(あの歌手は下手くそだ)とか、ho una fame cane(死にそうなくらい腹ぺこだ)などと、ちょっと犬がかわいそうだよ」
「多分、歴史をみないと分からないが、野良犬が多かった時代に、犬は汚い、うるさく吠える、理油もなく人に噛みつく等のマイナスのイメージができたんじゃないかな。それに飼い犬でも飼主に支配され命令される立場だから被支配者とか民衆などにも喩えられるんだね。」
「そう言われると日本でも,犬は、『犬死』とか言われるし『手下、スパイ』などを指す言葉があるね。でも、犬ってかわいいよ!」

  1. Meglio un uovo oggi che una gallina domani.

明日の雌鳥より今日の玉子

「将来の利益より、今の確実な利益の方がよいという意味だ.実は、ラテン語では、
Ad praesens ova cres pullis sunt meliora(今日の卵は明日のヒナにまさる)という格言もあるから、昔からの言い伝えなんだね。」
「日本にも、『明日の百より今日の五十』ということわざがあって、お金に喩えるなら明日100円もらうより今50円もらった方がいいって意味だよ。明日の方がたくさんもらえるかもしれないけど、明日には何があるか分からないので、確実な方が良いということだ。」
「じゃあ、今日とれ立ての玉子をもらって自分で温めてヒナを孵して、大きく育ててから食べるっていう計画はどう?」

  1. Fides servenda est.

信義は守られるべきである

「これはラテン語で、ローマ法の時代からもあったと言われているね」
「良く似たのに、Pacta sunt servanda(契約は守られなければならない)というものあるけど、意味が違うの?」
「ローマ法のことは知らないけど、日本の民法総則の第1条には、『権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない』という条文がある。日本の民法はドイツ民法典に依拠して作られたが,ドイツ民法典はユスティニアヌス帝が作ったローマ法大全に依拠していて、パンデクテン法学と言われている。だから日本の民法にはローマ法の体系が生き残っているんだ。多分、契約遵守義務もローマ法に由来していると思うよ」
「じゃ、イタリアの民法はどうなの?」
「そこまで知らないよ~」