1. Se ti lascia lo sai che si fa, trovi un altro più bello, che problemi non ha

もし、彼があなたを捨てたら、どうするか分かっているよね。
問題を抱えていない他のもっといい男を見つけるのよ

「この歌は、ラファエッラ・カッラ(Raffaella Carrà)という女性シンガーが歌った歌で、題名は、Tanti auguri(おめでとう)というんだよ。誕生日のときに歌うtanti auguriとは違うけどね」
「どうしてこの歌をこのシリーズに載せたの?」
「好きな人がいるって、いいことだね、おめでとう!と祝福していても、彼がもしあなたのことを捨てたら、もっといい男見つけなよ、と言っているところが憎いね。好きな男に何時までも未練がましくしないで、さっさと心を切り替えることが大切だ、って言っていると感じたからね。」
「なるほど、一度好きになると、男から辛く当たられたり暴力を振るわれたりして不当な扱いを受けても、本当はまだ愛されていると信じて我慢して付き合いを続ける女性っているよね。DVのサイクルがあるって学習したよ。」
「この歌は、女性は自分で考えて、自分に素直に生きなさい、って言っている応援歌ような気がしたけど、どうかな。
ラファエッラは、歌手、ダンサー、俳優、テレビのプレゼンターなどとして広い分野で活躍した。イタリアはもちろんスペインなどヨーロッパやラテンアメリカなど世界的に成功を収めた。しかも、フェミニズムの立場から女性を抑圧する伝統的な考え方とは異なる活動をしたとも言われている。2021年6月に亡くなったが、ローマ市内には長い葬列ができ、その後、火葬に付されたというよ。」
「そうだね、女性が男性の言いなりになるのではなく、自分の意見をもって、行動することが大切だね」
「この歌の1番だけ書いておくね。
 Se per caso cadesse il mondo, io mi sposto un pò più in la
 Sono un cuore vagabondo che di regole non ne ha
 La mia vita è un roulette i miei numeri tu li sai
 Il mio corpo è una moquette dove tu ti addormenterai
 Ma girando la mia terra, io mi sono convinta che
 Non c'è odio non c'è guerra quando a letto l'amore c'è
 Com'è bello far l'amore da Trieste in giù. com'è bello far l'amore io son pronta e tu
 Tanti auguri, a chi tanti amanti ha, Tanti auguri, in campagna ed in città
 Com'è bello far l'amore da Trieste in giù.
 L'importante è farlo sempre con chi hai voglia tu
 E se ti lascia lo sai che si fa, Trovi un altro più bello, che problemi non ha  」
「聞いていて楽しいね!」

  1. Gente allegra,il ciel l'aiuta.

神は、陽気な人を助ける

「日本では、良く似たことわざで『笑う門には福来たる』というのがあるよね。なにか問題などがあったとき、落ち込んでいるよりは明るく笑い飛ばす位の元気があった方が良いという意味だろうか」
「そうだよね。落ち込んでいると自分の中に閉じこもってしまって、良い智恵がでないことが多いね。だから、積極的に問題を打開するようなエネルギーがあると良いよね。イタリア人には陽気な人が多いって言われているけど、このようなことわざがあるからかしらん。」
「そこはイタリア人に聞いてみるしかないけど。
ところで、神について、良く似たことわざに
『神は自ら助くる者を助く』(God helps those who help themselves)というのがあるよね。神は陽気な人を助けるのか、あるいは自分でなんとかすることができる人を助けるのだろうか。どっちかなあ?」
「すごい疑問を持つねえ。実は、学校で神は自ら助くる者を助くっていう英語を学習したとき、『なんだ、自分でできるんなら神様なんて要らないよ』って思ったよ。だから、神は陽気な人を助けるって考えた方が、人生の役に立つよね。」
「なるほどね。元々はラテン語の古いことわざで、イソップ寓話の『牛追いとヘラクレス』でも教訓として用いられているそうだ。イタリアはキリスト教の国とされているから、どちらも大切なことわざかも知れないね。」

  1. Da un disordine nasce un ordine.

無秩序から秩序は生まれる

「このことわざは、日本のことわざ『雨降って地固まる』つまり、もめごとなど悪いことが起こったあとは、かえって基盤がしっかりしてよい状態になることのたとえとして、理解されている。実は、この『無秩序から秩序』という言葉をググッてみると、全然違う事実が紹介されているんだ。」
「どういうこと?}
「『エントロピー増大の法則』という自然科学上の概念があって、この法則を簡単に説明すると、物事は放っておくと拡散・乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはないということだ。例えば、この宇宙も常に増大して宇宙の終わりに向かっているんだって。だから、この法則からみると、無秩序から秩序は生まれるはずはないんだ。だけど、無秩序から秩序が生まれるという現象があるという。
例えば、地球の大気から雲や台風が生まれること、水が雪の結晶を生み出すことなどが紹介されている。さらに生物の体組織なども無秩序から秩序を作り出しているよね。だから『生命は無秩序からの秩序だ』とも言われているんだよ。なぜ、無秩序、乱雑に存在する物質が、ある塊となって秩序を作り出すのか、考えてみると面白いね」
「イタリアの、このことわざは、そこまで考えてできたのかな?」

  1. Chi è fortunato in amore, è sfortunato al gioco.

恋に恵まれた人は、賭け事には運がない。

「恋に恵まれると賭け事には勝てない理由はなんなのだろう。逆に、賭け事に勝つには結婚していると駄目だということで、恋愛と賭け事は両立しないという意味だろうか。分からないけど。」
「このことわざは、賭け事では運は回ってこなくても、恋愛では運が回ってくる、という意味だと言われているらしい」
「良く分からないけど、結婚したらギャンブルはやめて堅実に働きなさい、っていうことかな。でも、結婚するときには相手がどういう人か分からないから、結婚もギャンブルだっていう人もいるしね」
「そうなんだ、実は、僕の結婚もギャンブルだったよ!」
「どういうこと?」

  1. Tra il dire e il fare c'è di mezzo il mare.

言うことと行うことの間には、海のような隔たりがある

「日本にも『言うは易し、行うは難し』というも似たようなことわざがあるよね。」
「でも、『海』って言ってもイタリアの海は地中海で、すぐ南にはアフリカ、東は東欧やギリシャ、西はスペインと囲まれているから、日本のように太平洋に面しているのとは距離間が違うような気がするね。もちろん、言うことと実行することはまったく違う、と言うことは同じだけどね。」
「日本には、『不言実行』ということわざもあって、あれこれ文句や理屈を言わずに、やるべきことは黙々とやった方が良い、とも言われているよ。日本では、言葉に対する信頼感と行動に対する信頼感が違うね。例えば、日本では、政治家が『善処します』とか『反省します』とかいっても、国民は誰も、政治家が本当に反省して善処するとは思わないもんね。」
「イタリアの政治家はどうなんだろうね。」

  1. Contro la forza la ragion non vale.

力の前では道理は無力

「日本でも『無理が通れば道理引っ込む』という似たようなことわざがあるね。
しかも、Dove regna la forza, la ragione sta fuori.(暴力が支配する場所では、合理性は追い出される) という良く似たイタリア語のことわざもあるよ。」
「でもイタリア語は『力』の前で、と言っているので、なんとなく、物理的な暴力とか、政治的な権力とか、一般の人間には抵抗できない大きな力を言っているように思うけど」
「そうだね、日本語の『無理』をイタリア語に訳すと、impossibile, irragionevole、assurdo illogicoなどの言葉がでてきているね。
でも、forza という単語は、力でもって相手に無理を強いるという意味もあるんだね。
 だから、『無理を強いる』という意味ならば、 costringere、forzare、imporre、obbligare、 sforzare、sospingere などいろいろある。」
「なるほど、分かったよ。お互いに無理を言わないようにしようね。だから、イタリア語をもっとしっかり勉強しなさい、って言わないでね。」
「分かった、じゃ今の言葉をイタリア語で言いなさい!」